まず、ここではトップという言葉をみなさんが愛好するトップと、通常使われるトップと分けてお話しいたします。前者は“特トップ”、後者は”一般トップ“と勝ってに表現します。
わたし個人も”特トップ”での釣りが好きです。ご存知の通り、釣果よりもスタイル(道具)を優先しますので、難易度が高く、それでいて単純明快、そして、釣り場への影響が小さく、人間側のハンディキャップが大きい。心に余裕をもった人しか楽しむことができない釣りです。ぼくは”特トップ”の中でも釣れるとわかったルアーは使う頻度が減ってきます。なるべく釣れなさそうな(ラージマウスは釣れても、ピーコックバス向けではない)ルアーを好んで投げます。
まあ、自分のことはどうでもいいのですが、結論からいうとハワイのピーコックバスも“特トップ”での釣果は日本でラージマウスバスを釣る場合とおなじようなものです。1日投げて5バイト、1、2尾釣れるという程度です。ピーコックバスは“一般トップ”によく反応する魚ですが、なぜ“特トップ”には反応しづらいのか?それは食性と関係していると推測します。これからそれについて長々と能書きをたれてみます。
ピーコックバスは魚しか食べません。甲殻類等は食べません。ですから小魚がだす要素、水面の水の動きとウロコの反射、そしてサイズに特に強く影響されます。ウィルソン湖の主なベイトフィッシュは5cm前後のシャッド(コノシロの仲間)です。シャッドはアメリカでは一般的なベイトフィッシュで、沖に群れを作る魚です。動物が群れを作るのは防御の一つの方法です。ボートなどが近づく音でビックリして群れが散るときや、群れから外れてしまう魚など、なんらかの隙をきっかけに、それまで群れの周りで捕食のチャンスを待っていたピーコックバスの群れがいっせいにシャッドを追い始めます。こういう状況ではベイトフィッシュが表層を逃げる引き波、逃げ回る飛沫、ヒラ打ちの反射に強く反応します。または本物の魚しかだせないなんらかの要素に反応しているときは何を投げても反応しません。ナブラの魚をルアーで釣る場合は当然、そのとき反応している要素にあわせたルアーで、さらにそれにあうアクションを与えます。”Match
the bait"です。最も餌らしくないルアーである“特トップ”にはなかなか反応しません。つまり、お嬢さん系が好みなのに、でてきたのはケバケバしい大柄の女だったようなものです。“一般トップ”でも魚の興奮が最高潮に達している瞬間、つまり捕食した直後に捕食地点に落とすことが釣果をあげるカギです。
それでは”特トップ”で楽しむにはどうしたらいいか。 比較的自然な水の動きを作るペンシルベイトを中心に、岸沿いのカバーを釣ることをおすすめします。 ルアーは必ず、倒木などのカバーの最奥にタイトに入れます。太いラインで、重く、ダブルフックを付けた“特トップ”は根がかりのハズシやすさが一般のルアーよりも優れた点です。どんどんカバーの奥に投げ込めます。